📒考古学者による特別授業
とある平日の午後、考古学者を招いての特別授業が行われました。講師の先生はアメリカ出身だけれど、パラオに30年以上も住んで研究を続けておられる方。4~8年生の子ども達と一緒に、私も授業を受けさせてもらいました。
パラオでよく見られるケズと呼ばれる丘。アイメリークにもいくつかありますが、ケズとは日本の古墳のように土砂を積み上げたものではなく、自然の山を段々状に加工してできたものなんだそう。しかも、数百年レベルではなく、先史時代(うん千年も昔)から作られているというから驚きです!
しかも、さらにさらに驚いたのは、私がよく行くこのテラス。
よくホストキッズSisangと散歩に来たり、学校帰りにここに寄って夕日を眺めたりしている、私にとって癒しスポットのうちの1つ。
ここでなんと2021年に人骨が発見されたのだとか!!!しかも、その人骨は2000年以上も前のものとされていて、まだまだ謎が多いのだそう…。知らなかった…。
こちらは本島最北部のガラロン州。今の景色からはよくわからないけれど、地層を見ると大小いろいろなケズがあった…つまり、パラオの中心地だったのではないか?!と研究されていたり。
畑に囲まれた伝統的なパラオ家庭の古い写真を見たり…。とっても勉強になる2時間でした。
さらに、翌週には人類学者の方がいらっしゃって特別授業。
ケズなどのパラオの伝統的な建築物はなんのためにできたのか?誰が作ったのか?どれくらい作るのに時間がかかったのか?…と、皆思いつく限りの疑問点をシェアし合いました。
生徒数約50人くらいの小さな小学校だからこそ、講師の先生を招いて特別授業をやるやすいというメリットがあるなぁと改めて感じました。子どもにとって色んな経験ができたり、色んな大人の話を聞くことができるのって、素晴らしい機会✨
ちなみに、こちらは番外編。雨の日の低学年体育。とりあえず踊る。YouTubeに感謝。
こちらは先日もらった来年のカレンダー。よく見ると…
時期によって漁の可否が書かれているFISHING RULESを発見。こんなルールがあったのか…。FISHING RULESの下には、EXPORT RULES(輸出してもいい魚・だめな魚)が書かれています。こうしてパラオの海は守られているんだなぁ…。
🥥リヤムルを探せ!!!
いつも通り大量に採れたバナナをケーキにするため、皮むきを手伝っていたそんなある日、ホストマザーMomがポツリと一言。
「リヤムルを採りに行こう!!」
ということで、リヤムルを採りに行くことになりました。リヤムルとは…英語でfootball fruitと呼ばれる、その名の通りサッカーボール並みにデカイ実のこと。日本語訳が見つけられないので、日本語では「フットボールフルーツ」と呼べばよさそうです。
リヤムルを求めて、マングローブへ…。水位の低い干潮時だけ、採りに行くことができます。
「さぁ、行くよー!」ずぶずぶと、泥の中を歩いていくMom…。力強い。
足元があっという間に浸かってしまうほどの、スゴイ泥です。同僚の先生からいただいたアクアシューズ(パラオ語ではタビ)が役に立ちました。
泥沼が終わったと思ったら、今度はジャングルの中へずんずん…!!!
リヤムル発見!!!!!
超見づらいですが、この高い木の上にリヤムルの実がなっていて、熟すと下にポトッと落ちてくるんだそう。
おお、大量のリヤムル!!!虫や鳥にやられてしまう前に、採集!!
そして、さらに歩みを進めると、ダムがありました。アイメリーク唯一のダム。
このダムのおかげでアイメリークではあまり水不足にならないんだそうです。
「せっかく来たから掃除していこう」のMomの一声で、葉っぱの掃除を少ししてから道を引き戻しました。掃除の当番が決められているわけではないけれど、住民がたまに行ってたまに掃除する…それで今までずっとダムが維持されてきたのだそうです。
全9個の大量のリヤムルをバッグに入れて、帰途に…。これが、なかなか超重い。
なんとか、全9個のリヤムルを無事に運べました。バッグをかついで泥道を30分は歩いたでしょうか…。翌日、肩がバッキバキに筋肉痛。
私の手と比べても、そのサイズの大きさがわかります!!!
帰宅後はMomがリヤムルの皮をむき、種をとって、ひたすら煮てくれました…。煮続けること、約3時間。マルゴゥの完成です!(リヤムルは熱するとマルゴゥという名前の食べ物に変わる。)
マルゴゥだけ食べてもおいしいのですが、リヤムルはMomいわく、「最もアリが好む果物」らしく、砂糖を加えなくても、超甘い。ということで、ミルクと一緒にいただきました。味はジャムのような感じ。おいしかった~~~。採れる時期が限られていること・採集と調理にかなりの手間がかかることから、リヤムルはパラオでは高級果物なんだそうです!!
🍳ココナッツ料理を作って持ってくるべし!
とある日、パラオ語の授業で「ココナッツ料理を作って持ってくるべし!」という宿題が出ました。先週はココナッツの葉っぱで編み物を楽しみましたが、今度は「食」!どの家庭にもココナッツがあるアイメリーク州だからこそ、出される宿題です。
家の庭でココナッツを探していると…ホストブラザーNgatが手伝ってくれました。この長い棒でクイクイッとうまくココナッツを落とします。
大量のココナッツをゲット!!!
ココナッツの皮むきは、高校生Leblonがやってくれました。
ココナッツを割ってジュースとしていただいてから、続いてココナッツの実を削ります。
削り器の上に座りながらココナッツを研ぐスタイル。
お次は、布に削ったココナッツをくるんで絞ります。
これぞ、「ココナッツミルク」!!
ココナッツミルクを、先日のマルゴゥに加えて、ココナッツを使ったデザートの完成!これを明日学校に持って行きます。
パラオ語の授業を6年生と共に受けている私に出た宿題だったのですが、ホストファミリーが総動員で手伝ってくれました。感謝。
🥄ココナッツお食事会
いよいよ、ココナッツお食事会当日。4~8年生の全生徒が宿題のココナッツ料理を持って登校。すごいサイズのバケツにココナッツジュースを入れて持ってきている5年生。フタをおさえるのに必死。だけど、かなり漏れてこぼれてます。笑
皆、何かしらを持って登校!どんな食事会になるか、わくわくです!
とある先生は、5年生の息子のココナッツ料理を作る時間がなかったとのことで、職員室で作っていました。えっ、授業は…?!😅
さて、いよいよお食事会開始!
ココナッツ料理を食べる前に、まずは料理の作り方の説明を皆の前で発表します。
そして、写真からもわかる通り、すごい保護者の数!!家族総動員でココナッツ料理を持ってきて参加。
ココナッツとは関係ないけれど、アイメリーク小に来たばかりのときにあげた漢字の名札「舞蘭尊」(ブランソン)を大事にファイルにとってくれていて、ちょっぴり嬉しくなりました☺
さて、いよいよ食事開始!!
すごい量のココナッツ料理に圧倒されます!
主食っぽいものやら、デザートっぽいものやら、さまざま…。ココナッツがこんな形になるのね?!と思わされる料理もありました。
こちらは、シンプルなココナッツの実!自然のココナッツの味を楽しめました。甘すぎずgood◎
こちらは、ココナッツのアメ。超~~~甘かった!キャラメルのようなねっとり感もありました。
こちらは、お米にココナッツの粉を混ぜたもの。お花の形のお米に、おにぎりを懐かしく思い出しました…。そういえば、パラオにはおにぎりがない。
こちらは飲み物ゾーン!今朝バスの中で見た少年のバケツが小さく見えるくらい、もっとデカいクーラーボックスやジャグ、やかんなどにぎっしり入っています。
こちらは、ココナッツにココナッツミルクを混ぜたもの。
ココナッツにココナッツミルクだけでなく練乳を混ぜたり、砂糖を混ぜたり、ココナッツの実を混ぜたりと、各家庭の工夫が光っていました✨
いくらでも飲める、ココナッツジュース!ココナッツは年中暑いパラオで貴重な「水資源」として、大切にされてきたものです。栄養たっぷりなので、「風邪ひいたー」とか「具合悪いー」とか言うと、まずココナッツを飲むよう言われます。笑
自分の欲しいココナッツ料理をどんどんよそいます!どれもおいしそうで悩むなぁ~~。
私は贅沢にも、ほぼ全部をお皿の上へ。どれもおいしかったけれど、特に一番右の黄色いやつ(カボチャとココナッツミルクを混ぜたおいしい食べ物🥰)が好きだったなぁ~。
みんな、楽しそう!
「これオレが作ったんだぜー!」という顔をしながら、違う人が作ったココナッツ料理を指さす少年。笑
ココナッツ料理をお腹いっぱい食べ終わった後は、今度は英語の授業。「ココナッツ料理の作り方を英語&イラストで説明する」という課題に取り組みます。
まずはココナッツをとって、皮をはいで…とイラストにしていきます。
この子はパラオ料理「アホ」の作り方を作成。「アホって料理?!そんなアホなー!」という感じですが、ちゃんと実在します。そして、おいしい。プルプルして甘くておいしいデザートです。
こちらの子はココナッツジュースの作り方を書いていました。イラスト上手!!ちなみに、パラオの子ども達にとって「はだいろ」は「ちゃいろ」なんだなぁと皆の絵を見ていて思いました。
「日本人ってなんで肌そんなに白いの?」と女の子から質問されたこともあります。日本人の中では私はかなり黒めの方なんですが…😅
私も描いてみました。隣の少年がつくった「Coconut Keam」というココナッツ&ナッツを組み合わせた料理の作り方です。
授業中はココナッツ料理だけじゃなくって、ついつい脱線…。あれ、それはNARUTOに出てくるカカシ先生ではないか!
ルフィ、チョッパー、ゾロ、悟空、カカシ、ジョジョ…。日本のアニメは世界のどこに行っても大人気だなぁと思わされます。日本が誇るべき文化ですね。
その日の給食では、高学年が作ったココナッツ料理を低学年も含めた全員でシェアしました。
「ココナッツ料理を作って持ってくるべし!」という宿題に、最初はどうなることやらと思いましたが、家族総動員でつくったココナッツ料理もいい思い出になったし、どの家庭も家族みんなで手伝ってできたココナッツ料理だったんだろうなぁと思うと、ちょっとジーンとしました。「家族の絆」、ここにあり。こうやってパラオの伝統文化が次世代に残っていくといいなぁと思いました。