Alii!! 南の島パラオから「こんにちは」

青年海外協力隊(2023年度1次隊)としてパラオの小学校に派遣されている中学校英語科教員が、パラオでの様子を日本の皆さんにお届けします!

035 文化啓発週間

4学期制のパラオ。3学期末の3月中旬に1週間かけて「文化啓発週間」が行われました。全国で一斉に始まる文化啓発週間。この期間は、普段の国数英理社の科目の学習ではなく、文化についての学習を学校ごとに計画して勉強します。

 

 

 

🐖1日目…ブタとカメのと殺

まずは、1日目がスタート。この週間は、曜日によって「色」だけが決められていて、制服ではなく好きな服を着てOKという期間です。初日はから!

 

普段体育を行っている広いグラウンドに、テントをたてます。アイメリーク州に勤めている大人たちが来てくれ、子ども達はそのお手伝い。

 

テントを建て終わったら、ココナッツの葉っぱをさく作業。パラオではココナッツの葉っぱを使ってカゴを作ったり、葉っぱで魚を巻いたり、とにかくいろんな場面でココナッツを使います。ココナッツを使いやすいように、細くさいて準備!

下準備が整ったら、いよいよこの日のメインイベント、ブタとカメのと殺へ。港(Dock)でブタとカメをさばきます。動物をさばくのは男性の仕事。高学年の男子たちと共にDockへ向かいました。

 

養豚場から連れられてきたブタをと殺。切りやすい状態にするところまでは、大人がやってくれます。普段いただいている豚肉に感謝をしながら、ブタのと殺を皆で見学。ちなみに、奥のカメはまだ生きています。

(【と殺】…家畜など動物を食肉・皮革などにするため殺すこと)

 

ブタのと殺が終わった後は、ブタを焼いて毛を抜く作業を2回ほど行い、それから豚肉を切る作業が始まりました。パラオでは、豚肉を切った後に、いくつかのココナッツのかごに分けて入れて蒸し焼きにする…という伝統文化があります。切る順番や切る部位もちゃんと決まっていて、大人たちの説明を聞きながら、子ども達も懸命にさばいていきました。

 

「こんなに大きな豚肉見たことない!」と言いながらも、必死にさばきます。さっきまで生きていたブタの肉。感謝の心で私も少しさばかせてもらいました。

 

続いて、カメのと殺。パラオではお祝い事の時などに、カメを食べます。とっても高級食材です。この日は、カメのと殺のために、全長1mは超えている大きなカメ2匹を保護者達で捕まえてきてくれました。まな板にのせられるカメ。

 

カメのと殺は慣れている子どももいるようで、ほとんど全部8年生(日本でいう中学2年生)がさばきました。頭から腸まで、もちろん甲羅や最後の血の一滴も無駄にしません。大事に大事にさばいていきます。

カメのと殺でちょっと感じたこと…。カメはさばいている途中も生きており、必死に動きながら人間を噛もうとしたり逃げ出そうとしたりしていました。そのたびに、「コラ!」と叩く子ども達を見ていて、まさに実写版・浦島太郎の状態…。「かわいそうだよ!やめなよ!」と言ったら「なんで?もう死ぬのに?これを食べるんだよ?」と真顔で返されました。彼らにとっては、カメは魚とかわらないんだ…。魚をさばくときに魚がはねるから引っ張ったり抑えたりすることは普通なのに、カメの場合はかわいそうだと思ってしまう私って…。となんだか色々考えさせられました。

日本ではなかなか目にする機会はないけれど、スーパーで売っている豚肉や牛肉も、誰かがこういう「と殺作業」をしてくれているから食べられています。食べ物として「命」をいただいていることに感謝しながら、おいしく残さずいただかなきゃなぁと改めて思いました。

 

ブタとカメのと殺の後は、魚の下準備。実はこの日、「1人3匹の魚を持ってくる」のが宿題になっていました。土日にそれぞれ釣りに行って捕まえてきた魚たちのうろこをとり、内臓を取り出していきます。ナイフを使った作業も皆、お手の物。(ちなみに、「魚のうろこ取るぞー!」と先生が言った瞬間に、Tシャツを脱ぎ始めた男子たち。うろこはTシャツに付くと、取るのが結構めんどくさいものなのです。阿吽の呼吸にびっくり。笑)

 

その頃、女子たちは…タロイモの収穫のため畑に行っていました。保護者や地域の方達に教わりながら、タロイモを掘ってきたそうです。

パラオでは、男性の仕事・女性の仕事が見事に役割分担されています。力仕事は男性、畑仕事や台所仕事は女性というイメージ。この日は一日中、男子と女子で行動が分かれていました。

1日目の授業の様子についてはYouTubeで動画をUPする予定なので、完成したらぜひご覧ください✨

 

 

 

🍣2日目…パラオ伝統料理の準備と日本料理体験

2日目は、昨日下準備をした魚を、ココナッツの葉っぱで包みます。葉っぱで包んでから煮ると、煮崩れしなくなるというわけです。ちなみに、2日目のカラーは見ての通り

 

私もちゃっかりマンツーマンで教えていただき、魚巻きチャレンジ!最終的には上手に巻けるようになりました✌

 

完成した魚たち。この魚は翌日のご馳走にそなえて、また冷蔵保存!

 

また、前日に切った豚肉をココナッツのかごに入れていく作業は最高学年の生徒達が。このココナッツのかごは女性陣が作ってくれていました。ここでも男女で役割分担がはっきりしているパラオ。

 

そして午後はお待ちかねの…日本文化体験!日本料理を皆で作って楽しみました。

低学年は、いなり寿司&巻き寿司

 

中学年は、たこ焼き

 

高学年は、もちつき

どのブースでも、私一人では回せない…と思い、JICAの仲間や日本人の友人に来て手伝ってもらいました。どこも盛況でしたが、特にたこ焼きは大人気でした。

2日目の授業の様子についてもYouTubeで動画をUPする予定なので、完成したらぜひご覧ください✨

 

 

 

💃3日目…ダンスパーティ&ご馳走

3日目は、伝統ダンスの練習とパラオ文化をちょこっと体験。この写真はゴム飛びをしている子ども達です。ゴム飛びは戦前に日本からパラオに伝わったもので、パラオ人は「イチダン」と呼んでいました。私は知りませんでしたが、ゴム飛びを「一段」と呼んでいる日本の地方もあるそうです。ちなみに3日目のカラーは見ての通り、

そして、なんと午前授業が終わったら帰宅。この日は夕方からのダンスパーティとご馳走に備えて、皆夕方まで家で準備です!

 

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3日目(昼)の様子についてはYouTubeで動画をアップロードしています。是非ご覧ください☺

 

そして、夕方5時に再登校。ここからは、なんとアイメリーク小学校だけでなく他の2校も参加して大パーティです!お隣のイボバン(Ibobang)小と北の離島カヤンゲル(Kayangel)小が来てくれました。

 

まずは、パラオ伝統料理だらけのご馳走!左上が、月曜日にさばいたばかりのカメ肉の料理「フリータダ」。(フリータダという名前の由来…昔は食べていなかった部位で無料で食べられるからフリータダというらしい。)左下は、月曜日に女子たちが掘ってきたタロイモ!真ん中上は、月曜日にさばいたばかりの豚肉料理。一番右は、火曜日にココナッツの葉っぱを巻いたばかりの!自分たちで準備をしてきた料理がお皿に並ぶと、圧巻です!

 

ご馳走をいただきながら、男女に分かれて伝統ダンスの披露。

 

女子も男子も、練習の成果を出し切ることができました!

 

そして、ダンスが続くこと数時間…。夜11時にやっとお開きになったかと思ったら、この夜はなんと公民館でお泊り。3校の生徒や教員、保護者がそれぞれ布団を持ち寄り、あちこちで寝転んで就寝します。私も子ども達と一緒に寝てみましたが、蚊🦟の襲来に合い、ほとんど眠れませんでした…。普段ステイ先で使っている蚊帳の大切さを痛感😢

 

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3日目(夜)の様子についてもYouTubeで動画をアップロードしています。伝統ダンス、是非動画でご覧ください☺

 

 

 

🏃4日目…大ウンドーカイ

最終日の4日目は、さらにアルモノグイ(Ngeremlengui)小を招いて4校合同大ウンドーカイ。ちなみに、パラオ語でも運動会はウンドーカイなのです。4校の子ども達約100名を8チームに振り分け。

 

まずは準備運動から…。円の真ん中で必死に指示出しをする私😅

 

パラオならでは!のスピア(Spear)競技では大盛り上がり。左側のコーンから右側のバナナの茎にやりを投げ、刺さったら得点が入る…という魚突きをモデルにした競技です。

 

こちらは、ココナッツを剥いた後に、頭の上のカゴに入れて運ぶ…というココナッツリレー。こちらもパラオならでは!盛り上がりました。

 

(勝手に)JAPANを背負って奮闘する私。ぶっつけ本番の運動会でしたが、各校の先生方が手伝ってくださり、なんとか楽しく大ウンドーカイを終えることが出来ました。

 

ウンドーカイの後は、巨大ケーキのカッティング!せっかく運動をしたばかりなのに、それ以上のカロリーを摂取するパラオ…さすがです!笑 4校の子ども達が一斉にケーキにナイフを入れた瞬間の写真。皆、楽しかったね☺

 

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4日目の様子についてもYouTubeで動画をアップロードしています。子ども達の白熱したココナッツリレー、是非動画でご覧ください☺

 

今回の文化啓発週間については、なんと新聞に掲載していただきました!(勝手に)JAPANを背負った赤Tシャツの私も、ちゃっかり一面デビュー

パラオは人口がたったの18000人しかいない小さな島国です。だからこそ、「私達の文化を次世代に残すんだ!」という大人たちの熱意が伝わってきた、素敵な文化啓発週間でした。アイメリーク州は小さな州だからこそ、学校だけでなく、保護者や地域の住民も一緒になって準備や片付け・行事の進行をしていく様子に、私自身もすごく楽しむことが出来たし、これこそが「学校だけでなく地域の中で育てられている子ども達」だ!!と、とても勉強になりました。

そして…。しれっと記事内で載せていましたが、アイメリーク小学校のYouTubeチャンネルを作ることになりました。

Aimeliik Elementary School - YouTube

慣れない編集作業で必死の日々を送っておりました…。(だからブログの更新がなかなかできていなかった…という言い訳😅)ブログよりもさらにのんびりペースになるかと思いますが、YouTubeもちょくちょく更新するかと思います。私の日本語のぼやきやツッコミもたまに入っていますので、是非YouTubeもお時間あるときにご覧ください☺