Alii!! 南の島パラオから「こんにちは」

青年海外協力隊(2023年度1次隊)としてパラオの小学校に派遣されている中学校英語科教員が、パラオでの様子を日本の皆さんにお届けします!

008 パラオの小学校に必要なものとは?

☀晴れているって気持ちいい!

久しぶりの青空。毎週月曜日の朝会を、外で行うことが出来ました。

朝会のはじめは、国歌斉唱とともに国旗掲揚。皆、胸に手を当てながら国歌を歌います。国旗掲揚は高学年の生徒たちが行っていました。

 

水色の背景黄色い丸。パラオの国旗が空に舞います。

水色は広大な太平洋を、黄色は月を表しているそうです。日本の国旗にも似ている親しみぶかいデザインです。

国歌斉唱の後は、先生からのお話と、ちょっとしたダンス。朝会が終わった後は1時間目の授業の場所へそれぞれ向かいました。

 

ちなみに、国旗は夕方降ろしていました。2年生の少年が降ろしていましたが、国旗を地面につけないよう、慎重に慎重に降ろしています。

 

 

ところで、私は青年海外協力隊としてここ、アイメリーク小学校に派遣されました。主に

①低学年の算数の授業のサポートや授業計画のアドバイス

②全学年の体育の授業のサポート

が支援として求められている…と事前に教えてもらった上で、派遣が始まりました。はじめの一週間は、パラオの小学校の流れについて行っただけであっという間に終わってしまいましたが、今週からは「アイメリーク小学校が求めているものは何だろう」「自分にできることは何だろう」こんな視点をもちながら第二週目をスタートしました。

 

 

 

📐低学年の算数の授業

アイメリーク小では基本的に毎日1時間ずつ算数の授業がありますが、水曜日だけは2時間ぶっ通しで算数を行うことになっています。普段の45分授業ではなかなか時間が足りなくてできないActivityや作業を取り入れる算数を行っているようです。

 

① 1・2年生の算数

この日の1・2年生の算数では、90分間を使って、数字と数字の英語での書き方の学習をしていました。

切り貼りしたりイラストを足しながら、数字一覧表をペアで完成させます。ペアでわいわい言いながら楽しそうに作業をしていましたが、「11(eleven)から始めてしまった!」「書き間違えた!」「20の次は21じゃないの?!」など途中から大混乱…😅楽しいActivityなだけに、途中で大混乱が起きてしまったのがもったいなかった💦教材準備がいかに大切なのかがわかった90分間になりました。

 

②3年生の算数

3年生の算数の授業では、4けたまでの数を小さい数から順番に並べて貼る…という作業を行っていました。アイメリーク小の算数は、切り貼りが好きなのかな?!

こちらも、皆でわいわい言いながら楽しそうにやっていました。が、「扇風機の風で紙が飛ばされてうまく貼れない~」「間違えて貼っちゃった!はがして~」等、こちらも混乱…😅

なんとか、完成です。

 

③幼稚園生(Kinder)の算数

幼稚園生の算数の授業は、数字の概念を覚えるところから。歌やゲームも取り入れながら、楽しく数のお勉強です。

「2つあるものはど~れ?」「お花を3つタッチしてみよう」教室内のイラストと身体を使って数字の学習です。

 

「2はアヒルさんの形!」「グワッグワッ!アヒルになり切ってみよう~」

 

「3の形を粘土で作ってみよう」「カーブが2つで3ができあがるね!」

自分の幼稚園時代をついつい思い出してしまうくらい、かわいくて楽しい算数授業でした。

 

「低学年の算数の授業のサポート」といっても、学年やクラスによって課題は様々なようです。ただ、「もっと知りたい」「できるようになりたい」「勉強って、わかると楽しい!」という向上心や喜びは全世界共通な気がしました。

異なる文化をもっているからこそ、「日本での当たり前」がパラオでは当たり前になるとは限りません。一生懸命指導にあたっている先生方を少しでもサポートできるよう、日本での経験をフル活用していきたいと思います!

 

多摩市からパラオの子ども達へといただいたキティちゃんのクリアファイル。女の子たちに大人気でした✌

 

 

 

🏃体育の授業

算数の授業とともに、アイメリーク小でお手伝いするのが体育の授業。晴れている日は、コンクリートで作られた屋外バスケットボールコートで授業を行います。

準備体操等はなく、身体ほぐしとしてスキップやギャロップ走、ジョグをするところから授業が始まっていました。6~8年生の授業は、日本でいうと小6~中2の男女が混ざっての授業になるので、体格差や運動能力の差もかなり大きい…。

 

リレーのバトンパスの練習

 

クラウチングスタートの練習

 


最後は輪になってクールダウン。

長年体育の先生を務めてこられた先生が、ちょうど私がアイメリーク小に派遣されたわずか4日後に定年退職となり、ピンチヒッターとして体育の授業を受け持つことになりました。ひとまず、来月行われるバレーボール大会に向けて、来週からはバレーボールの練習を始めていきます!どんなふうに授業をアレンジしていこうかな~。ワクワク。

 

体育の先生の定年退職お祝いパーティー。全校生徒みんなで「ハッピーバースデーの歌」を歌いました。

 

すごいデコレーションのケーキ!!素敵!

 


💰支援ってなんだろう

バレーボールの授業に向けて、体育倉庫の整理をしてみました。すると、驚くことに、新品未開封のボールを大量に発掘。サッカーボール、バスケットボール、バレーボール、ドッジボール等々…。たくさんのボールが未開封でぺちゃんこのまま、倉庫に眠っていました。

全部のボールに空気を入れるのだけでも1時間近くかかりました。「きっとこのボールもあちこちの国から支援でもらったものだろうに」「なぜ空気も入れずにずっと放置しているんだ」と複雑な感情で空気を入れていましたが、そこで大事なことに気がつきました。

なんと、「空気入れ」がない。

倉庫を見渡しても、空気入れがないのです。だから、大量のボールが空気も入れずに放置されていたのです。

 

日本から持ってきていたプチ空気入れが大活躍しました。

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という言葉を聞いたことがありますが、まさにそれだなぁと思った出来事でした。空気の入れ方を知らなかったのか、空気入れを購入する費用を当てられなかったのか、そもそも管理がずさんだったのか…。なぜボールがぺちゃんこのままだったのかは結局わかりませんでしたが、「支援」について考えさせられました。

パラオにいると、日本を含め、いろんな国からの支援があるんだということを日々感じます。ただ、その「支援」って本当にうまく活用されているのかな?と思うこともしばしば。私は青年海外協力隊員として1年8か月という長期間、パラオで活動ができます。魚の釣り方をぜひとも教えたい!そんなふうに思った一日でした。